もっと補綴物を除去しないで根管治療


過去の症例です。

左上6の頬側にフィステルができたということで、治療の依頼がありました。

補綴物を外さないで治療してほしいと主治医からの要望。

平成26年9月6日

術前レントゲン

術前レントゲン

術前レントゲン ガッタパーチャ挿入

術前レントゲン ガッタパーチャ挿入

フィステルからガッタパーチャを挿入すると、近心頬側根尖部付近に到達しました。

原因根管は近心頬側根で間違いないでしょう。

フィステルがある場合は、必ずガッタパーチャを挿入してレントゲン撮影を行います。

思わぬところに到達することがあり、間違いを防止できます。

今回は近心頬側根のみを治療することとしました(理由は忘れました…)。

カルテによると、

平成26年9月28日 近心頬側根のみ穴をあけてアクセス

平成26年10月26日 ファイル試適レントゲン2枚、根充してレジンで封鎖

2回で終わっています。

根充直後のレントゲンを複写していませんでした、、、。探しときます。

その代わり、

平成27年3月6日

インプラント埋入の確認レントゲンに一緒に写っていますね。

当然ながら、まだ根尖病変は治癒していません。

さて、別の歯の治療でまた僕が治療することとなり、予後を追うことができました。

平成29年1月29日

近心頬側根の根尖病変はすっかり治癒していました。

遠心根の根尖部に少し透過像がありますね、、、。

ちなみに現在の口腔内はこんな感じです。

近心頬側根管相当部にレジン充填があります。

また補綴物を作るために通院しなくていいので、患者さんにとっては大きなメリットかもしれません。

ただ、補綴物を重要視する先生にとっては、すごく「気になる」かもしれませんね。

患者さんは全く気にしてません。実用上問題ありません。

こういうのも「あり」ではないでしょうか。

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